セマンティックWebコンファレンス2005
実用化が始まったセマンティックWeb―実用化システムと研究プロジェクト−


更新日:2005年2月18日


◆ 趣  旨
新たなWeb技術としてセマンティックWebが注目されています。INTAPと慶應義塾大学SFC研究所は、平成13年よりセマンティックWeb技術の最新動向についての講演を中心に、コンファレンスを開催してきました。今回は、セマンティックWeb技術の実用化に踏み込んで、日本における研究プロジェクトの講演と展示・デモを中心に、コンファレンスを開催致します。

◆ 背  景
(1)全般的な背景
Webはインターネットのキラーアプリケーションとして、ネットワークビジネス、ドットコムビジネスをはじめとしてさまざまな場面での使い方ができ、サイバー社会の実現には無くてはならないものとなっています。Web技術により人は情報アクセスでの物理的、空間的、時間的制約から開放され、経済活動も大きく効率化され、多くの新規産業が創出されています。

しかし、このようにWebの普及と共に新たな問題が発生しています。情報は氾濫し、真に必要な情報のアクセスが難しくなっています。また、現在のWeb情報は人が理解できてもコンピュータが理解できるものではないので、有益な情報を得るためには細かな操作・指示をする必要があります。この為、IT技術に詳しい人しか十分にWebを使いこなせず、デジタルデバイドの要因ともなっています。こうした現Web技術の限界を克服し、新しいWebの世界を実現しようとするのがセマンティックWeb技術の研究です。

(2)セマンティックWebが目指す世界
セマンティックWebは、Webサイトにある情報にセマンティックス(意味情報)を付加することにより、高機能の検索、情報の統合化等、知的な処理機能が実現可能となり、新しいWebの世界を拓くものです。現在世界中に分散配置されているWebの情報を、セマンティクスを使用することにより、エージェントが自律的かつ、効果的に情報を連結し自動処理することも夢ではありません。また、映像や画像などのマルチメディア情報の検索には、効率よく検索を行うためにメタデータを付与する方式が元々考えられていたことから、セマンティックWebはマルチメディア情報がより活発に利用できる環境を実現する可能性をも含んでいます。

セマンティクスというのは、「言語の意味論」です。意味は構文(文法)に比べて、定義が難しく、また多様な意味の表現方法が存在します。セマンティックWebでは、Web情報のセマンティクスをリソース記述規則(RDF:Resource Description Framework)とオントロジ(語彙の体系)で表現するもので、W3Cを中心に標準化が進められています。

このセマンティックWeb技術を用いることにより、次のような新しいWebの世界が拓かれます。

  (a) IT技術に弱い人に優しいWebの世界が実現します。
  (b) 巨大な分散知識データベースとしてWebが活用できます。
  (c) バラバラな情報を統合化することにより、新たなWebの世界が生まれます。

このようにセマンティックWebはIT社会を実現する重要技術であり、我が国でも早急に本研究や開発プロジェクトを推進する必要があります。
◆ 概  要
セマンティックWeb技術についての現状や将来の動向に関する講演、国内の民間企業関係者によるセマンティックWebを利用した研究プロジェクトの紹介やデモンストレーション等を行う。

◆ 日  時
2005年2月10日(木) 10:00〜18:00
◆ 場  所
慶應義塾大学 北館ホール(東京都港区三田2−15−45、地図
◆ 主  催
慶應義塾大学 SFC研究所
財団法人 情報処理相互運用技術協会(INTAP)
◆ 後  援
経済産業省
社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
財団法人 インターネット協会(IAjapan)
社団法人 情報処理学会(IPSJ)
◆ プログラム (講演資料へ  >>
09:30−      受付開始
10:00−10:05  主催者挨拶
専務理事 若松 茂三
10:05−10:10  主催者挨拶
慶應義塾 常任理事 斎藤 信男
10:10−10:30  来賓講演 「情報家電を巡る今後の展望と課題」
経済産業省 商務情報政策局情報通信機器課 課長補佐 平井 淳生
10:30−10:55  「セマンティックWebとW3Cの活動」
慶應義塾大学 教授 萩野 達也
10:55−11:05  休憩
11:05−11:35  「W3CのセマンティックWebベストプラクティスWGの現状と今後」
INTAP セマンティックWeb委員会 委員長 清水 昇
(慶應義塾大学 SFC研究所)
11:35−12:00  「W3C RDF Data Access WGの現状と今後」
INTAP セマンティックWeb委員会 委員 佐藤 宏之
(日本電信電話(株) NTT情報流通プラットフォーム研究所)
12:00−13:10  昼食(展示実演見学)
13:10−15:10  実用化システムと研究プロジェクト紹介
1.「ミーティング情報マネジメントシステム」
(株)富士通研究所 ITメディア研究所 津田 宏 氏
(概要)
OWL-Sによる情報機器連携(TaskComputing)と、メタデータによるナレッジマネジメント技術の連携技術を紹介する。デモンストレーションでは、日常のミーティングにおけるプレゼンテーション活動と、RFIDタグと組み合わせることにより、「誰が誰にどういう資料をプレゼンした」「誰がどういう会議に出た」という活動情報をRDF/OWLによるメタデータで自動的に記録する。さらに、記録した活動情報を自動分析することで、「誰がこの仕事に詳しいか」「誰と誰が一緒に仕事をしているか」といった人に関する知識を抽出し、ある技術に詳しい社内専門家の人脈を探すといった高度な「KnowWho」検索を実現し、業務における生産性向上に貢献する。

2.「Ubiquitous Service Finder−Service Oriented Architecture in Ubiquitous Computing−」
(株)東芝 研究開発センター 川村 隆浩 氏
(概要)
メタデータは既に至る所に付与されている。電化製品に書籍、テレビや音楽ファイルなどがそれである。更に2005年以降に爆発的に普及すると予想されているRFIDによって、それらは電子的に取得することが可能になる。一方で、ネット上にはWebサービスが溢れ、家庭内にはUPnPサービスが浸透してきている。そうしたさまざまなサービスの検索にメタデータを利用しようとする試みが始まっている。本プロジェクトでは、それらユビキタス環境に存在するさまざまなメタデータをブラウズし、それを元にデータやサービスを自由に組み合わせて利用できる新しいハンドヘルドデバイスを提案する。

3.「RDF共有ブックマークを使用したRDF情報の信頼性表現モデルとその応用システム」
日本電気(株) R&Dユニット ソリューション開発研究本部 白石 展久 氏
(概要)
インターネットにおいては、RDF情報は、誰でも作成・発信が可能であるため、それらの情報には、信頼性が高いものとそうでないものとが混在するが、現在のセマンティックWebには、RDF情報に対して、信頼性情報を持たせるようなモデリングや仕組みは存在しない。本講演では、 RDF共有ブックマーク情報を使用して、RDF記述に対して信頼性情報を付与するモデリングを試み、その実証実験として、Google検索結果を、ユーザのRDF共有ブックマーク情報を基に、ソート・フィルタリングする試作システムを紹介する。

4.「オントロジを活用したポータルサービス」
日本電信電話(株) NTT情報流通プラットフォーム研究所 境 美樹 氏
(概要)
インターネット上の職業別電話帳(iタウンページ)の情報を利用して構築したオントロジやメタデータを用いて、業種毎に広告やユーザニーズに応じた最適なポータル画面を自動生成することを目的としたポータルサービスSemantic iタウンページを紹介する予定です。

5.「社内・学内情報共有のためのイントラブログ構築サービス」
(株)日立製作所 情報・通信グループ 小川 浩 氏
(概要)
近年ブログ業界が活性化しており、社内・学内情報共有のために利用するブログ(=イントラブログ)のニーズが高まっています。日立製作所ではMovable Typeなどを利用したイントラブログ構築サービスやRSSクローラー&リーダーシステム“SONAR”を提供しており、そのサービス内容、機能、活用例を紹介します。また慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科(小檜山教授)とのブログ活用に関する共同研究についてもご紹介します。

6.「グループウェア上でのナレッジリソース検索システム」
(株)リコー 池上 史郎 氏
(概要)
業務で日常的に利用しているグループウェアから様々な情報を抽出し、人、グループ等の作業者を中心とした情報の検索を目的としたデモシステムを紹介する。今回紹介するデモシステムは掲示板に書き込まれた記事から著者の特徴を自動で抽出し、OKARで記述することによって人、グループ、ミーティングの検索を可能とした。さらに検索結果は検索者のプロファイルデータを用いて、検索者に適した結果を提示する。

15:10−15:40  休憩(展示実演見学)
15:40−18:00  実用化システムと研究プロジェクト紹介
7.「意味構造に基づく検索システム」
(独)産業技術総合研究所 情報技術研究部門 宮田 高志 氏
(概要)
意味構造に基づく検索では、検索質問および文書の`意味'を語や句を頂点とするグラフで表現し、それらの間の構造的な照合によって検索を行なう。予備的な評価実験から、意味構造に基づく検索システムは検索にかかる手間や時間を大幅に短縮できると期待される。発表ではシステムの概要、およびWebから取得したページのような大規模な文書集合に適用するために現在行なっているいくつかの拡張について説明する。

8.「Semblogプロジェクト」
国立情報学研究所 実証研究センター 武田 英明 氏
(概要)
本プロジェクトでは日常的情報コミュニケーション活動をトータルに支援する環境構築を目指している。このためにweblogを拡張して、weblogエントリーを基本単位とするスモールコンテンツの情報流通基盤を提案している。技術的にはRSSに加え、Foafといったメタデータを基盤として、メタデータを利用した情報収集、情報編集、情報公開の仕組みを構築している。具体的にはglocouse、RNAといったアプリケーションを開発している。

9.「セマンティックWebエンジン」
慶應義塾大学 SFC研究所 清水 昇 氏
(概要)
セマンティックWebのRDFやOWLにより知識データの記述が可能になっている。しかし、セマンティックWebのAPを如何にして作れるか、日本語データを考慮したパーサが無い、RDFやOWLの記述が大変、RDFやOWLで記述されている内容を汲み取る事が大変である等の問題がある。これ等の問題の解決を図る事を目的としてセマンティックWebエンジンを開発した。セマンティックWebエンジンは、RDF/OWLで記述されるセマンティックデータの意味を分かり易く表示し、それを変更し、その変更を反映したRDFやOWLを生成するOntology GeneratorやRDF Generator等を有している。

10.「RDFとトピックマップの相互運用の実践」
(株)ナレッジ・シナジー 内藤 求 氏
(概要)
RDFとトピックマップは、異なる標準化団体により作成された異なる標準群であるが、多くの類似性、共通性を持っている。それらを"標準"間の競争としてではなく相互補完的なものであると捉えることによりシナジー効果が期待できる。そのためには、RDFとトピックマップのデータ間の、相互運用の可能性を実証する必要がある。本発表では、RDFとトピックマップのマッピング、マージ、視覚化のデモを通してその可能性、有用性を探る。

11.「セマンティックウェブサービスの現状と課題−ロケット打上作業支援システム構築の経験から−」
(株)ギャラクシーエクスプレス 技術部 小出 誠二 氏
(概要)
ウェブサービス本来の目的を実現するためには、ウェブサービスとセマンティックウェブとの融合が必須である。現在欧米の研究者を中心にセマンティックウェブサービスの研究開発が進められ仕様の策定が進められているが、残されている課題も多い。セマンティックウェブサービスは本当に使い物になるのか、ロケット打上作業支援システム構築の経験を踏まえて、セマンティックウェブサービスの現状と課題について報告する。現在構築中のシステムについてはデモ展示する。

12.「XML複合文書ハンドリング技術xfyのご紹介−Intension-oriented XML Document handling system"xfy"−」
ジャストシステム(株) 技術戦略室 乙守 信行 氏
(概要)
セマンティックWebでは多種多様なメタタグが利用されることから、1)メタタグをドキュメントへ付与するための効率的なアノテーション環境 2)メタタグの種類毎に発生する処理系・可視化(ブラウザー)の開発工数の削減や再利用性の向上 はセマンティックWebの実現における大きな技術課題となっています。
多様なXML文書をひとつの文書データ上でシームレスに同時に作成、編集を可能とするxfy(エクスファイ)テクノロジーは、この技術的課題を克服する大きな可能性を持ったアークテクチャであり、その概要説明と簡単なデモを行います。

13.「情報ナビゲーションシステム」
沖電気工業(株) 研究開発本部 森田 幸伯 氏
(概要)
情報と情報の意味的な関係および情報を収集・分類するためのルールを定義し知識技術を利用することにより、Webコンテンツに意味づけをおこなうことができる。
これにより、同じ意味のWebコンテンツを統合したり、複数のWebコンテンツの意味的な関係を俯瞰することが可能になる。

展示実演コーナー(12:00〜 北館 エントランス、ホワイエ)
(株)東芝  「Ubiquitous Service Finder」
日本電信電話(株)  「オントロジを活用したポータルサービス」
(株)日立製作所  「BOXER イントラブログ」
(株)富士通研究所  「ミーティング情報マネジメントシステム」
(独)産業技術総合研究所  「意味構造に基づく検索システム」
国立情報学研究所  「Semblogプロジェクト」
慶應義塾大学SFC研究所  「セマンティックWebエンジン」
(株)シナジー・インキュベート  「RDFとTopic Map」
(株)ギャラクシーエクスプレス  「セマンティックウェブサービスを活用したロケット打上作業支援システム」
ジャストシステム(株)  「XML複合文書ハンドリング技術xfy」
(株)リコー  「グループウェア上でのナレッジリソース検索システム」
展示即売コーナー(12:00〜 北館 エントランス)
(株)オーム社 「セマンティックWeb入門」
ジャストシステム(株) 「進化するWEB セマンティックWEB」
◆ 参加費
INTAP賛助会員、慶應義塾大学SFC研究所及び学生:無料
一般参加者:一人 3,000円(税込み)
(INTAP賛助会員一覧は こちら です。)
◆ 定  員
240名
◆ お申し込み
定員に達しましたので申込みを締め切らせて頂きました。
たくさんのお申込みありがとうございました。
◆ お問い合わせ先
E-mail : to swc
TEL : 03-5977-1301(技術部 香取)
◆ その他
  • お申込みの受付期間:定員になりしだい〆切りいたします。
  • 受付は、事前登録制といたします。
  • フォームでのお申込み後、参加証がメールされますので、プリントして当日受付にお渡し下さい。
  • 予稿集は当日会場にて配布いたします。


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